この記事を読んでいるあなたは
- SNSマーケティングとはどのようなものかを知りたい
- SNSマーケティングの成功事例や成功するポイントを知りたい
- SNSマーケティングを行う上での注意点を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、上記のように考えている方向けに「SNSマーケティングの特徴と事例から学ぶ成功ポイントや注意点」をご紹介します。
SNSマーケティングの戦略の立て方については以下の記事も参考にしてみてください。
SNSマーケティングとは?
出典:https://www.pakutaso.com/
SNSマーケティングとは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて行うマーケティング手法のことをいいます。
企業がSNSを介してユーザーとコミュニケーションを行い、企業そのものやブランド・商品に対する認知度や好感度を高める、あるいは購買につなげることを目的としたデジタル・マーケティング活動です。
SNSの急速な普及に伴い、年々導入している企業が増加するSNSマーケティングについて、どのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。
ユーザーと企業がつながる新たなチャネル
ICT総研による「2020年度 SNS利用動向調査」の結果によると、日本国内におけるSNSのアクティブユーザーは2020年末には7,975万人、普及率は約80%に達する見込みとなっています。
また、調査結果からは全ての世代においてSNSの利用率が高まっていることもうかがえ、SNSが幅広い世代のユーザーの生活にしっかりと根付いてきていることが読み取れます。
そのような市況から、企業はSNSのプラットフォームを通して効果的なマーケティングを行うことで、数多くの、そして幅広い年代層のユーザーと接点を持つことが可能となります。
加えて、多数のユーザーとのコミュニケーションを通して企業やブランド、商品に対する認知の拡大やイメージの向上、購買行動の促進につなげることもできます。
昨今は、テレビや新聞といったメディアやネット検索での情報収集よりも、SNS上で視聴した情報をきっかけとして購買行動を起こすユーザーが増えているという調査結果もあることから、企業がSNSをユーザーとつながるための重要なチャネルととらえて積極的に活用すべきであると言えるでしょう。
ユーザーの生の声やリアルタイムの情報を獲得できる
SNSマーケティングは、顧客情報を獲得するという点においても大きなメリットを持っています。
SNS上での公式アカウントの運用を通して、SNSに登録されているユーザーの年代や所属コミュニティ、直近の興味・関心といった属性データを把握・収集した上で、それを新たな商品やサービスの開発に活かす、その結果を発信するといったさらなるマーケティングにつなげることが可能です。
また、SNSは匿名性があることから、その時々のユーザーの生の声、つまり企業に遠慮することのない率直な意見や評価が多く発信されます。
企業や商品、サービスに関するエゴサーチ(ネットやSNSにおける自分自身に対する評価や印象、意見などを自ら検索する行為)を行うことで、アンケート等の市場調査とは異なるユーザーの生の声を収集することができます。
さらに、SNS上では常に誰かが情報発信を行い、それが常時更新されていくことから、ユーザーの反応をリアルタイムで獲得し、状況に応じて早いスピードで施策を改善していくことも可能です。
SNSマーケティングの成功事例5選
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ここからは、SNSマーケティングにおける成功事例を5つ紹介します。
どの事例も、SNSアカウントを運用する手法に優れていたり、SNSによるコミュニケーションを通して新たなユーザーの獲得に成功したりと、さまざまな特徴を持っています。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
シャープ株式会社
「SNSマーケティングの成功事例の筆頭」として挙げられるのが、大手家電メーカーであるシャープ株式会社のTwitter公式アカウントです。
2021年1月時点で、81万人を超えるフォロワーを抱えた人気の企業アカウントとなっています。
「当たるも8K、当たらぬも8K」「だけど特になにもない!」など、大企業のSNSアカウントらしからぬ遊び心あふれるフランクな印象での運用がなされており、SNSアカウント担当者は「シャープさん」と親しみを込めた通称で呼ばれています。
自社ECサイトの抽選ページに多くの人が殺到したことでアクセスできない状態となり、多数の苦情が寄せられた際もユーモアを含みつつ真摯な対応を発信することで、炎上寸前の緊張感の高まった空気を和やかな雰囲気に変えたこともあります。
多くの人に拡散され、話題になったバズツイートや、他社アカウントへの積極的なリツイートやリプライを行うことで、面白さやトレンド性を重視し、かつユーザーに楽しんでもらうことを主眼に置いた情報発信がなされており、またユーザーも参加意識を持ってそれを楽しむといった構図が完成していることが伺えます。
双方向のフランクなコミュニケーションを通し、自社のブランディング向上とファンの獲得に成功した事例です。
株式会社ローソン
2019年3月の発売以来ローソンの主力デザートとして大ヒットを続けている新感覚スイーツ「バスチー」。
このバスチーは、ローソンの商品部とプロモーション部が商品設計の段階からSNSマーケティングを意識して作り上げた、いわば「SNSでシェアしたくなる商品」となっています。
SNSで発信してもらいやすい「バスチー」という短いネーミング、SNS映えを考慮した鮮やかな黄色のパッケージに、商品名を中央に大きく記載するなど数々の工夫をこらし、これまでのスイーツ商品の中でもトップクラスのSNS拡散数を獲得しました。
また、発売後もSNSを活用したキャンペーンや大々的な告知を実施したことにより、発売からたった4ヶ月で1900万個を売り上げることに成功しています。
SNSマーケティングを意識した商品開発とSNSで映える要素の盛り込み、商品の人気や知名度を利用したSNSキャンペーンの併用で、SNS受けしやすい商品を作り上げた事例と言えます。
青山商事株式会社
「洋服の青山」といえば、大半の人が成人男性向けの紳士服製造・販売チェーンを想像すると思いますが、そのイメージを覆して展開されるのが、Instagramの「洋服の青山【ガールズアカウント】」。
このガールズアカウントに特徴的なのは、Instagramの若年層に強い特性を十分に活かし、女子学生というこれまでと大きく異なるターゲット層を獲得した点でしょう。
ガールズアカウントは10代後半から20代前半の女子学生向けに特化したアカウントとなっており、大学の入学式などスーツ需要が上がる3月の来店を促進するために開設されました。
発信しているコンテンツは、プリクラの撮り方や映えるメイクやヘアスタイルなど、ターゲット層が興味を持ちそうなトレンド情報が中心となっており、青山で取り扱うスーツの写真が投稿されることはほとんどありません。
メインターゲットとした女子学生のニーズに応える親しみやすいコンテンツについての研究、さらにInstagramの特性を活かした視覚的に優れる発信方法の追求や双方向の密なコミュニケーションを重ね、試行錯誤を繰り返したことで大きな成功を収めたアカウントとなっています。
ハーゲンダッツジャパン株式会社
メインターゲットである20歳〜34歳女性のテレビ離れを踏まえ、ハーゲンダッツジャパンはテレビ広告以外の新たなアプローチ手段としてSNSマーケティングに注力し始めました。
もっとも特徴的なのは、SNSを通じた商品のPR活動において媒体ごとに投稿の内容を変えている点です。
例えば、Facebookではオフィシャルな商品情報を中心に、Instagramは「映え」を意識したおしゃれなコンテンツの提供を、Twitterは伝達性を生かした速報配信の場として、各SNSの特徴を把握し、コンテンツを使い分けています。
また、SNSを活用したさまざまなキャンペーンにも取り組んでおり、その中でも代表的なものが「ハーゲンハート」キャンペーンです。
ハーゲンダッツのミニカップの内フタを開けたとき、アイスの天面にハート型のクレーターが表れることが話題となり、ユーザーがSNS上にその写真を投稿し始めたことをきっかけとして、ハーゲンダッツはアイス天面のハート型クレーターを「ハーゲンハート」と命名。
さらに「幸せのハーゲンハート探し」というコンテンツを作成しました。
内容としてはハートの種類ごとに占いができるようにしたものですが、ハートの種類や出現率を取りまとめたことでさらにSNS上で話題となり、多くの反響を呼びました。
UGC(企業によって作られたものではなく、ユーザーが作成したコンテンツ)を大切にし、UGCを通したユーザーとのコミュニケーション、さらにUGCにおけるトレンドをマーケティングに活かすキャッチ力で成功を収めた事例となります。
東亞合成株式会社
瞬間接着剤などを製造している化学メーカーの東亞合成株式会社は、有名人気ユーチューバーとタイアップしたプロモーションを行い、話題となりました。
SNSを使ったキャンペーンの一環として、瞬間接着剤という用途の限られた商品をユーザーがさまざまな形で楽しめるよう、バラエティ的な要素が強い動画で紹介しているものです。
2021年6月現在、動画再生回数は700万回以上、「いいね」の数も6.8万回を超える人気動画となっています。
ユーチューバーによる商品のプロモーションを含む動画は時に敬遠されることがありますが、凄まじい再生回数と「いいね」の数を記録していることから、若年層を中心に広く支持されるユーチューバーを起用したことによる影響力の大きさと、ユーザーからの好意的な反応が伺えます。
ターゲットに対する強い影響力のある「インフルエンサー」を起用し、プロモーションを展開することで成功を収めた事例となっています。
成功事例から学ぶSNSマーケティングの成功ポイント
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ここからは、上記で挙げたSNSマーケティングの成功事例を通して学べる成功のためのポイントを詳しく紹介していきます。
ユーザーに好意を持ってもらえるコンテンツの提供
SNSマーケティングを成功させるための最大のポイントは、提供したコンテンツを通してユーザーに好意を持ってもらうことです。
企業からの情報発信はマーケティングにおいて重要ですが、一般的なプロモーションに見られるような「企業や商品・サービスの良さを周知し、購入行動につなげる」ための発信だけではユーザーの目を十分に引けず、大きな拡散が望めません。
そこで、一方的な情報発信だけではなく、内容やタイミングに工夫を凝らした「ユーザーの役に立つ魅力的なコンテンツ」を発信することで、ユーザーにアカウントに対する好意を抱いてもらうことが重要となります。
魅力的なコンテンツの発信を続ける企業アカウントに好意を抱いたユーザーはやがて企業のファンとなり、SNS上でコンテンツを拡散したり、キャンペーンへの参加を通して、商品やサービスの売り上げ向上に貢献する存在となります。
シャープの事例では「面白さ」「トレンド性」を、青山商事の事例は「ターゲット層が興味を持つトレンド情報」をアカウントの特徴的なスタイルとして、多くのフォロワーを獲得していました。
どのようなコンテンツが魅力的かはユーザーによって異なりますが、大切なことは、ターゲットとするユーザーに「このアカウントをフォローしてもっと魅力的な情報を得たい」と思わせるようなコンテンツを届け続けることです。
運用結果からユーザーに響くコンテンツを研究する
SNSマーケティングを行うすべての企業が、アカウント開設当初から「ユーザーに響くコンテンツ」を配信できるわけではありません。
青山商事の事例でも、最初は上手くターゲットとした女子学生の目を引くようなコンテンツ作りができず、フォロワー数が伸び悩み苦戦を強いられていました。
また、ハーゲンダッツの事例でも、「ハーゲンハートキャンペーン」を企業が思いついたわけではなく、ユーザーの動向を注視し、反映することで作り上げたものとなっています。
いずれも、アカウント運用結果から「ユーザーに響くコンテンツ」を日々分析、検証し、コンテンツの内容や見せ方を工夫したり、UGCにおけるトレンドをマーケティングに反映させることで、フォロワーやファンの獲得に成功した事例です。
SNSマーケティングは長期にわたって行うものであることを理解し、運用結果に応じて試行錯誤を繰り返しながら、ターゲットとするユーザーに響くコンテンツを研究し続けることが重要です。
SNSごとの特性の理解と適切な使い分け
SNSは媒体ごとに大きくその特性が異なっており、SNSマーケティングを成功させるためにはその把握が不可欠です。
同一のコンテンツやキャンペーン、商品プロモーションでも、展開するSNS次第でユーザー層や特徴が異なることから、ユーザーの反応や反響も異なってくるケースが多々見られます。
ハーゲンダッツの事例では、SNSごとの特徴を活かした異なるマーケティング戦略を打ち立てて運用することで成功を収めていました。
また、各企業ともターゲットとするユーザーとどのようなコミュニケーションをとるかという方針に基づく適切なSNS媒体を選択してマーケティングを展開していることが伺えます。
SNS媒体ごとの特性を深く理解し、適切に使い分けることが成功ポイントの一つといえます。
インフルエンサーの特性を理解したインフルエンサーマーケティング
SNSとインフルエンサーの親和性は極めて高いものとなっており、インフルエンサーを起用してSNS上で展開する「インフルエンサーマーケティング」がめざましい拡散力を発揮することも少なくありません。
先般紹介した東亞合成の事例においては、若年層を中心として莫大な影響力を持つ有名ユーチューバーを起用した動画を配信することで、驚異的な再生数、「いいね」数をマークし、商品の認知やブランディング、キャンペーンの拡散に成功していました。
インフルエンサーを起用してSNSマーケティングを行う場合は、インフルエンサーの持つ強み、支持層といった特性の把握が欠かせません。商品やブランドと親和性の高いインフルエンサーを選択して起用することが重要です。
失敗事例から学ぶSNSマーケティングの注意点
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次に、失敗事例から学ぶSNSマーケティングにおける注意点を見ていきましょう。
ユーザーの反応を慎重に予測する
あるハンバーガーチェーンが、Twitter上で自社にまつわる心温まるエピソードを呟いてもらうキャンペーンを実施したところ、予想と反してクレームや劣悪な労働環境に対する悪評ばかりが集まってしまい、失敗に終わった事例があります。
SNSマーケティングにおいては、ユーザーがどのような姿勢でキャンペーンに参加するかを企業側からコントロールすることは不可能であり、常にネガティブな反応をされるリスクを孕んでいます。
また、企業認知度が高ければ高いほどユーザーからの投稿数が増え、ネガティブな投稿を含む可能性も高くなることを理解しなくてはいけません。
ユーザーの反応を完全に予測するのは難しいですが、キャンペーンに対する反応を事前に慎重に検討することである程度リスクを抑えることは可能です。
センシティブな内容を避け、高いリテラシーを持って運用する
化粧品メーカーが宣伝動画として、ノーメイクの女性としっかりメイクをした女性への男性の態度が異なるという内容の動画を投稿したところ、女性もちろんのこと、男性からも批判が殺到し、炎上しました。
昨今ではさまざまなハラスメントが取り沙汰されており、発信する内容には十分な注意を払う必要があります。
センシティブな内容に当たるものを避け、誰が見ても不快感を抱かないような発信を心がけるようにしましょう。
SNSを積極的に活用し、どのようなコンテンツに対してユーザーがどのような反応をしているのか、アンテナを十分に張り巡らせて世の中の動きに敏感になっておくことが大切です。
投稿前に複数人によるチェックを行う
食品メーカーが人気Vtuberと自社製品のコラボ動画を作成して配信したものの、その動画内で他社製品をバットで叩き潰すなど過激な表現があり、SNS上で多数の批判の声が上がった事例があります。
企業でSNSを運用するにあたり、SNS担当者に何もかも任せきりにしている企業も少なくありません。
結果、担当者の不適切な投稿によって炎上を引き起こすパターンが昨今多く見られます。
SNSは拡散性の高いものであり、1つ1つの発言が企業のイメージに直結します。
故に、先に挙げた2つの注意点のような炎上に備えた対策を複数人で共有できていないと、些細なきっかけであっという間に企業イメージを大きく損なう可能性があります。
担当者1人に任せきりにするのではなく、複数人で投稿をチェックする、あるいは社内のチェック体制やマニュアルを整備するなど、炎上に対するリスクヘッジを共有することが重要になってきます。
SNSの炎上については以下の記事も参考にしてみてください。
SNSマーケティングの特徴と事例から学ぶ成功ポイント・注意点まとめ
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この記事では、SNSマーケティングの特徴と事例から学ぶ成功ポイント・注意点について紹介しました。
SNSの利用率はあらゆる年代で年々上昇しており、企業にとってもSNSを活用したマーケティングに多くのビジネスチャンスがあるといえます。
記事を参考に自社の現状に即したSNSマーケティングを選択し、企業の成長を促すツールとしてぜひ積極的に取り入れてみてください。